●新しい海中観光船「シーバルーン」 2021年登場へ

 潜水球体に乗って海中を観光する新しい海中観光船「シーバルーン」(海中バルーン)が,2021年の運航開始を目指している。この実現を目指すオーシャンスパイラル社は,先頃JTBなど6社および米潜水艇メーカー,トライトン・サブマリン社とパートナーとなり,計画がスタートした。シーバルーンは双胴の母船(Support Vessel)と潜水球体(Submersible)を一体運用するシステムで,海上クルーズと海中遊覧を楽しめる世界初の次世代リゾート潜水観光船である。支援母船は満載排水量140トン,全長30メートル,幅12.4メートルで,主機はディーゼル・エレクトリック,航海速力9ノット,最大乗客定員50名。潜水球体は内径2.5メートルのアクリル球で,定員5名,最大沈降深度150メートル。上部が搭乗ハッチで,下部に耐衝撃バンパーやスラスター,ライト,バラストを備え,波などによる揺れに対してワイヤやバラスト,スラスターによって球体姿勢を制御する。安全装置として衝突防止センサーや有毒ガス検知センサー,緊急時にはバラストを切り離して浮上する緊急浮上システムも有する。母船は外洋航行せず,波の静かな海域で決められたコースを遊覧し,球体は海中100メートルまで沈降,母船に吊られたまま海中を遊覧する。球体内に運航用員は不在なので,プライベート空間として利用でき,ニーズに応じて海中での飲食やウエディングも可能という。潜水球体と双胴母船とも建造は米潜水艇メーカー,トライトン・サブマリン社が担当する。同社の潜水艇は「ダイオウイカ」の撮影にも用いられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(オーシャンスパイラル)