●三菱造船・商船三井・三井E&S造船など約40社・団体が5つのプロジェクトで無人運航船の実証実験へ

 自動車を中心に無人運転の実証実験が進んでいる昨今,日本では船舶でいよいよ無人運航船の実証実験が開始される。日本財団は6月12日,これを行なう5つのコンソーシアムへの支援を発表,参加する各社も相次いで実験実施を発表した。5つのプロジェクトは,①スマートフェリー(三菱造船など2社),②無人運航船@横須賀市猿島(丸紅など4社・団体),③無人運航船の未来創造~多様な専門家で描くグランド・デザイン(日本海洋科学など22社),④内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験(商船三井など8社),⑤水陸両用無人運転技術の開発~八ッ場スマートモビリティ(ITbookホールディングスなど5社・団体)。このうち三菱造船は新日本海フェリーと共同で,同社の新造大型高速フェリー(15,400総トン,横須賀~北九州航路)に無人運航システムを搭載,2021年6月末予定の本船引渡しから翌22年5月まで約1年間の予定で実施する。商船三井は,三井E&S造船が開発中の自律操船システムを商船三井フェリーの“さんふらわあ しれとこ”(11,410総トン,大洗~苫小牧航路)および井本商運運航の内航コンテナ船“みかげ”(749総トン,敦賀~境港航路)に搭載,それぞれ2020~21年,2021~22年に実験を行なう。無人運航化は内航海運の抱える船員不足や高齢化への対処に加え,安全性の向上にも寄与することが期待されており,2025年までの実用化を目指す。

                       (三菱造船)

                       (井本商運)