●JMU舞鶴事業所の最後の新造商船引渡し

 ジャパン マリンユナイテッド(JMU)は去る5月26日,舞鶴事業所での最後の新造商船である台湾向け撒積船を引き渡した。82,400重量トン型のサキザヤ・ヴィクトリーSakizaya Victoryで,台湾のウィズダム・マリン・グループ(慧洋海運集團)が運航する。このタイプはJMUの次世代省エネ船「G81BC」を発展させ載貨重量を増加したJシリーズの「J82BC」の6番船。最新の解析技術による低抵抗・高効率の最適船型と独自の省エネデバイス(ALVフィンなど)の装備,電子制御式排気再循環型主機の採用などにより,燃料消費量の削減と実海域性能の向上を図った。44,317総トン,82,418重量トン,全長229.0メートル,幅32.26メートル,深さ20.2メートル,吃水14.578メートル,主機MAN B&W 6S50ME-EGRBP型ディーゼル1基,1軸,航海速力14.5ノット,定員25人,船籍リベリア。

 舞鶴事業所の前身は旧海軍の舞鶴工廠で,1901年(明治34年)の舞鶴鎮守府開庁に合わせて造船廠として創設,その後呉,横須賀,佐世保と並ぶ海軍4工廠の一つとして駆逐艦建造などを担った。戦後は民間の舞鶴重工,日立造船舞鶴工場として発展,ユニバーサル造船を経て2013年からJMUとなり,一般商船や自衛艦などを多数建造してきた。今後同所は修繕事業に特化し,以前から手掛けている海上自衛隊艦船をはじめ,海上保安庁船艇や一般商船の修繕受注を目指す。

                        (JMU)