●長崎の通勤船「ぐらばあ」運航終了

 長崎港大波止桟橋から三菱重工香焼工場へ従業員を運んでいた通勤船“ぐらばあ”(2代。430総トン,2004年瀬戸内クラフト建造)が,1971年の運航開始から48年間の運航を9月30日で終了した。この航路は長崎造船所の香焼工場稼働開始に伴って開設され,野母商船が運航を担当。約1時間の陸上ルートより大幅に短い20分で結んでいた。アイーダ・クルーズの大型客船2隻を建造していた2015~17年のピーク時は,1日2,500人もの利用者があったが,造船事業の縮小に伴う人員減少から直近の利用は約300人で,代替交通で対応可能とされ運航終了となった。就航船の2代目“ぐらばあ”は,高速化と引き波の低減という相反する要求の下で建造され,ウェーブ形状の特殊双胴船型を採用して航走波高を従来の半分程度に低減しており,「シップ・オブ・ザ・イヤー’04」の準賞を受賞している。(野母商船)