■令和8年度の防衛関係予算案を閣議決定
政府は,2025年12月26日,令和8年度予算案を一般会計総額122兆3,092億円で閣議決定した。
SACO(沖縄に関する特別行動委員会)関係経費と米軍再編関係経費を含む,防衛関係予算は,過去最大の9兆353億円で,対前年度伸び率は3.8パーセントであった。防衛関係費は現整備計画の始まった令和5年度の約6.8兆円から着実に増額を続けており(6年度7.9兆円,7年度8.7兆円),8年度政府案では史上初の9兆円を計上した。
防衛力の変革を加速する4つの重点ポイントとして,①スタンド・オフ・ミサイルの増強加速,②人的基盤の抜本的強化(手当の新設・拡充など処遇を向上,隊舎・庁舎,個室化,通信環境などを整備),③無人機の大量取得に着手(敵の侵攻を食い止めるSHIELD〈無人アセットによる多層的沿岸防衛体制〉の早期構築),④自衛隊組織の強化(宇宙航空自衛隊の創設,陸自第15師団を創設〈沖縄の守りを増強〉),が示された。
8年度に新たに整備される海上自衛隊の艦艇の内訳は以下のとおり。
▷4,800トン型護衛艦(FFM)1隻(1,043億円)
▷1,900トン型哨戒艦(OPV)2隻(285億円)
▷3,000トン型潜水艦(SS)1隻(1,208億円)
▷690トン型掃海艦(MSO)1隻(340億円)
4,800トン型護衛艦はいわゆる新型FFM(改もがみ型)の6番艦,1,900トン型哨戒艦は“さくら”型の5,6番艦,3,000トン型潜水艦は“たいげい”型の10番艦,690トン型掃海艦は“あわじ”型の6番艦である。
8年度に新たに取得する海上自衛隊の航空機の内訳は以下のとおり。
▷P-1哨戒機1機(460億円)
▷SH-60L哨戒ヘリコプター3機(430億円)
ほかに滞空型UAV「MQ-9Bシーガーディアン」の取得(765億円,機体4機と関連装置等)が計上されている。また上述の無人アセットによるSHIELD(多層的沿岸防衛体制)の構築として1,001億円が計上され,海自関連として,水上艦発射型UAVの取得,小型多用途USVの取得等が示されている。さらに無人アセット防衛能力関連の研究開発として,戦闘支援型多目的SUVの研究開発の推進が示されている。
また,“いずも”型護衛艦の改修(F-35B戦闘機の艦上運用能力を確立するための所要の改造工事・機材調達等)に285億円,イージス・システム搭載艦の整備に伴う関連経費(各種試験の準備等に係る経費)に797億円,各種迎撃用誘導弾の整備としてSM-3ブロックIIAに723億円,SM-6に107億円,12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)の取得に357億円,潜水艦発射型誘導弾の取得に160億円,トマホーク発射機能の艦艇への付加に12億円,23式艦対空誘導弾の取得に200億円,水上艦艇用の商用低軌道衛星通信機材(スターリンク)等の整備(7年度までに練習艦2隻を含む72隻分に必要な経費を計上,8年度は14隻分に必要な費用を計上,10年度までに主要艦艇への搭載を完了)に11億円,佐世保(崎辺東地区)における施設整備に183億円,呉地区における多機能な複合防衛拠点の整備に6億円などが計上されている。