●MISCとサムスンが開発 アンモニア燃料電池タンカー

 マレーシア海運MISC(Malaysia International Shipping Corp.)と韓国サムスン重工(SHI)は9月24日,プロトン交換膜燃料電池(PEMFC:Proton Exchange Membrane Fuel Cell)技術を搭載した世界初のアンモニア系水素燃料電池LR2(Large Range 2)タンカーの設計で,フランス船級協会(BV)よりAiPを取得したと発表した。韓国のPEMFC大手プロバイダーのヴィンセンが開発した技術と,同じく韓国のパナシア設計のアンモニア分解システムを統合し,115,000重量トン級のタンカーを開発したもの。これまで小型船や補助用途に限られていた燃料電池は,この設計により船舶の推進や荷役,船内需要など大電力供給を可能とし,ゼロエミッションの促進やメンテナンス・コスト削減に貢献,より広範な分野への導入の可能性が広がった。実船建造に向け船主および運航者のMISCは船舶運航,実現可能性調査などを主導し,SHIが船舶設計,システム統合,BVが規制遵守の確保,リスク評価の実施などを行なう。

                           (MISC)