●測量船「拓洋」が父島北西沖の海山を調査

 海上保安庁は2025年5月9日,小笠原諸島父島の北西沖約180キロにある金曜海山に対する海域火山基礎情報調査の結果を公表した。本調査は本年2月21~28日に測量船拓洋(HL-02)と自律型潜水調査機器(AUV)“ごんどう”によって実施されたもの。これにより,金曜海山を形成している北東峰と南西峰の2つの峰のうち,北東峰の火口とみられる地形は不明瞭であったが,南西峰の火口は明瞭に確認できたことから,南西峰の火山活動は北東峰に比べて新しいものであると考えられた。

 また,AUV“ごんどう”は,水深661メートルの南西峰の山頂部の北側斜面部で溶岩流の痕跡を発見した。これらの結果から,金曜海山の山頂部では火口を形成する爆発的な噴火が,斜面部では溶岩流を伴う比較的穏やかな噴火が起きたことが判明している。