●風力補助推進装置装備船2隻の省エネ効果

 仏RORO船ヴィル・ド・ボルドーVille de Bordeaux(21,528総トン,2004年竣工)とカノペCanopée(10,669総トン,2022年竣工)は,それぞれ風力補助推進装置「eセイル(eSail®)」3基,同じく「オーシャンウイングス(OceanWings®)」4基を装備している。このほどその成果が発表された。

 ヴィル・ド・ボルドーはルイ・ドレフュス・アルマチュール(LDA)の所有で,エアバスA380などの部品を仏米間で輸送している。2021年にウイングセイルという凧方式の補助装置を装備したが,2024年に新たにスペインのバウンド4ブルー(b4b)社のeセイルを3基搭載。仏船級協会ビューロー・ヴェリタスの評価では,1日あたり1.7トン,最大で5.4トンの燃料を節約した。eセイルはいわゆる円筒型のサクションセイルで,平方メートルあたりの推進力が硬帆より高く,表面積は7分の1程度で済み,軽量コンパクトのため船舶への後付けが容易という。

 一方のカノペは,フランスと仏領ギアナ間でアリアン6ロケット部品の輸送用として2022年12月に就航。通常の運航条件でセイル1基あたり1日平均1.3トンの燃料節約を確認し(出力約300kW相当),4基合計で5.2トン(CO2換算20.8トン)を削減,出力1,200kWをサポートした。2年間の平均稼働率は99.6パーセントに及び,帆走のみで速力13.7ノットを記録したという。ソフトウェアなどの改善で一層の効率向上が図られており,直近の横断航海では1基平均2.2トンの燃料削減(出力510kW相当。船全体では2MW)を達成している。

                            (b4b)

                            (OCEANWINGS)