米海兵隊がUSVによる物資輸送を試行
米海兵隊は年初から,レイドス社が製作したシー・スペクターSea Spectorという半潜没型USVを物資輸送に用いる試験を実施している。まず,沖縄の第31戦闘兵站大隊と第12沿岸兵站大隊が,1隻ずつを用いて試験運用を開始。それに続いて4月初頭から,米本土東岸のノース・カロライナ州キャンプ・レジューンの第8戦闘支援大隊も試験運用を開始した。なお,沖縄で運用しているUSVは,一時的な配備から恒久的な配備に切り替わると報じられている。
このUSVは,麻薬密輸業者が使用している半潜没艇にヒントを得て考案されたもので,ALPV(Autonomous Low-Profile Vessel)と呼ばれる。その名のとおりに自律航行が可能で,水上に露出するシルエットが小さいため隠密性が高い。そして航続距離が長いので,遠方までの輸送が可能とされる。具体的には,5トンのペイロードを搭載して2,000浬(3,704キロ)の航行が可能という。
ALPVは主としてRGM-184A NSM(Naval Strike Missile)を車載化した,NMESIS(Navy Marine Expeditionary Ship Interdiction System)を対象とする補給の手段と考えられている。1隻のALPVで2発のNSMを搭載できる。(USNI News 2025/4/23)