英海軍の機雷掃討母船に関する動向

 英国防省はMHC(Mine Hunting Capability)計画の一環として,2023年5月にアイランド・オフショア社から,全長96.8メートルの洋上作業支援船アイランド・クラウンIsland Crownを購入,船名をスターリング・キャッスルStirling Castleと改めて,王立補助艦隊(RFA:Royal Fleet Auxiliary)に配備した。これは,機雷掃討母船として各種無人相当システムを運用するのが目的。
 そのスターリング・キャッスルがRFAから海軍に移管され,7月21日にバーケンヘッドのウェスト・フロート・ドックで,移管・就役の式典が行なわれた。艦名は同じだが接頭辞が“HMS”に変わり,ホワイト・エンサインを掲げることになる。母港はポーツマス。
 MHC計画のうちブロック1では,機雷を捜索・掃討する無人ヴィークル群を配備することになっており,英仏共同のMMCM(Maritime Mine Counter Measures)計画向けに開発された掃海システムMAUV(Medium Autonomous Underwater Vehicle),ヴィジョンSAS Mk2合成開口ソナー(SAS:Synthetic Aperture Sonar)などを導入した。続くMHCブロック2は,2026~32年に実施する計画。洋上作業支援船3隻を調達して機雷掃討用無人ヴィークル群の母船に充てる構想で,2027年半ばに契約を締結し,2030年代初頭に納入とする考え。(Jane’s 2025/7/23,Naval News 2025/5/26)