米海軍がワシントン州にドック新設を構想
米海軍が,西海岸ワシントン州のピュージェット・サウンド海軍工廠に,空母の入渠が可能な大型乾ドック施設を新設する計画を進めている。すでに同地では空母の補修整備を実施しているが,ジェラルドR.フォードGerald R.Ford級空母の舵や推進機,推進軸を外して整備を行なうには,規模が不十分だと説明されている。また,電力供給能力も3倍に強化する必要があるという。
現時点でフォード級の整備を行なえるドックは,大西洋側のヴァージニア州ノーフォークにしかない。ネームシップは大西洋側に配備されているため支障はないが,2番艦ジョンF.ケネディJohn F. Kennedy CVN-79はワシントン州のキトサップを母港とするため,西海岸にも同級に対応する造修施設が必要になる。ハワイのホノルルからノーフォークまでは25ノットで22日かかるが,ピュージェット・サウンドなら4日で済む。
なお,ワシントン州のバンゴールは戦略原潜の基地で,将来は新型戦略原潜ディストリクト・オブ・コロンビアDistrict of Columbia級が配備される。ドック施設の強化はそれも視野に入れた動き。(Stars and Stripes 2025/8/8)