タイがS26T型潜水艦の調達計画を再始動
タイは,いったんは棚上げしていたS26T潜水艦の調達計画を再始動する決定を下した。
もともと,2015年に中国からの提案を受けて,360億バーツ(10億ドル)で3隻の調達を決定,2017年5月に発注契約を締結,2019年9月に1番艦を起工していた。ところが,搭載予定だったMTU396ディーゼルの輸出をドイツが拒否。中国は代替案として自国製CHD620V16H6ディーゼルの搭載を提案したが,タイ側が「信頼性に懸念がある」として拒否。これが原因で,計画が暗礁に乗り上げていた。
そこで中国側では,タイが要求した検証試験を実施,6,000時間を超えるベンチ・テストを実施したことで,タイ側も納得した次第。また,中国側は2,470万ドルの支援を行ない,保証・整備支援の期間を延伸するなどの措置をとる。現時点で1番艦の工程進捗率は64パーセントとなっており,ここから建造を再開すると,当初予定の2023年から5年ほど遅れて,2028年末の引渡しとなる見込み。(Defense News 2025/8/21)