●MSCの「ネットゼロ」クルーズの詳細

 MSCクルーズは9月7日,6月に4日間実施した世界初となるネットゼロ(温室効果ガス実質排出ゼロ)クルーズの詳細を公表した。竣工したばかりのMSCエウリビアMSC Euribia(181,541総トン,船客定員6,327人)で,6月3日仏アトランティーク造船所(サン・ナゼール)の出港から同8日コペンハーゲン到着までの航海間で実施した。燃料にはバイオLNGを使用し,4日間で43トンを節約。性能指標の最適エネルギー効率を再現したヴァーチャル船より11パーセントの省エネを発揮した。また,調理室や温水製造などの熱源はエンジン廃熱を再利用しボイラーを使用する必要がなかった。これらは最適速力の分析,機関形態,客室のエネルギー消費の管理など,各所の最適化とエネルギー効率対策によるものとしている。同社では先駆的な航海は重要な成果であり,ネットゼロ・クルーズが今日でも可能で,2050年のIMO目標を上回る可能性があると述べている。

                       (MSC CRUISES)