●JAMSTECの海洋地球研究船「みらい」引退
JAMSTEC(海洋研究開発機構)の研究船“みらい”(8,706総トン,1997年改造完成)が,去る11月29日,35日間の北極海研究航海を終えて清水に帰投,28年間の運用を終え,この12月に引退となった。本船は日本初の原子力船“むつ”として1969年に進水したが,放射能漏れ事故のため追加遮蔽工事を施し,91年にようやく実験航海に漕ぎ着けたものの翌年には原子炉を停止し解役工事に着手。観測船として船体の再利用が決まり,1996年8月にディーゼル主機の海洋地球研究船に生まれ変わった。翌97年10月の就役以来,23回を数える北極海観測航海をはじめ極域から赤道域,北太平洋亜寒帯域や南半球一周など,268回の航海を行なった。総航走距離は約230万キロ(地球約58周に相当),乗船者数は延べ8,157名に及び,海洋地球の観測研究に大きく貢献した。
(JAMSTEC)