●自動車船「モーニング・ミダス」で火災,船体放棄
アリューシャン諸島アダック島南西沖約480キロを航行中の自動車船モーニング・ミダスMorning Midas(46,800総トン,6,000CEU,2006年竣工)で,6月3日(現地時間)火災が発生,乗員の消火活動では鎮火できず,米コースト・ガード(USCG)によれば救命ボートで22人全員が避難し,近くを航行中のコンテナ船COSCOヘラスCOSCO Hellas(109,149総トン,2006年竣工)に無事救助された。けが人はない。同船は英ホーソン・ナビゲーション社が所有し,英ゾディアック・マリタイム社が管理を担当。中国の上汽安吉物流が用船して煙台を5月26日出港,6月15日到着予定でメキシコのラサロ・カルデナスに向かっていた。積荷の車両3,159台のうちEVが65台,ハイブリッド車681台と報告されている。ゾ社によれば,火災は最初EV積載デッキで煙を確認,船内消火システムを作動させたが火勢拡大が早く制御困難となり,USCGと協議し船の放棄と乗員の退避を決定した。6月10日現在,タグボートがサルヴェージ要員を乗せて到着し状況評価を開始,今後さらに2隻到着する予定。本船には約350トンのガス燃料と1,530トンの超低硫黄燃料油が搭載されているが,上空観測では汚染の兆候は見られず,延焼は続いているが船は安定状態という。
(USCG)