●父島北西沖の海山に溶岩流の痕跡を発見

 2月21~28日,測量船「拓洋」(HL-02)と自律型潜水調査機器(AUV)“ごんどう”を使い,小笠原諸島父島の北西沖約180キロの金曜海山で精密海底地形調査を行ない,溶岩流の痕跡を発見したことを5月9日に発表した。

 金曜海山の溶岩流は水深約1,500メートルの斜面から流れ出し,長さ約3キロ,幅は最大で約400メートル,厚さ最大約80メートルに達していて,北東峰の火口と見られる地形は不明瞭な一方で,南西峰の火口は明瞭なことから火山活動が北東峰よりも新しいと考えられるという。

 これらの調査結果から,金曜海山の山頂部では火口を形成する爆発的な噴火があり,斜面部では溶岩流を伴う比較的穏やかな噴火が起こったことが明らかになった。(海上保安協会 新聞事業部次長 米田 堅持)