●洋上風発の電気運搬船「パワー・アーク100」を開発建造へ

 自然エネルギー普及のため設立された「パワーエックス」は去る8月18日,洋上風力発電施設から電気を運ぶ“電気運搬船”の開発建造を発表した。パワー・アーク100 Power ARK 100と称し,運搬用蓄電池100個(222MWh。一般家庭約22,000世帯1日分の電気)を積載する無人運航船で,バッテリーによる電気推進とバイオディーゼル燃料(カーボンニュートラル)を併用,航続力は電気推進のみで約300キロという。トリマラン船型を採用し,2,200重量トン,全長100.5メートル,幅21.9メートル,最高速力14ノット,航海速力7ノット。1番船を2025年までに建造の予定で,その前年までに大型蓄電池工場を国内に建設する。バイオディーゼル利用の航続力延伸と大型化により,国際間輸送も視野に入れる。脱炭素化に向けて洋上風発の拡充が注目される中,海底送電ケーブルの敷設を不要(環境負荷低減)とし,300キロ沖合までという設置場所のフリーハンドが大きいことから,実現が期待される。

                         (パワーエックス)