●武田薬品が世界初の帆走トリマラン(三胴船)による大西洋医薬品輸送へ

 武田薬品工業は9月19日,仏トリマラン帆船開発企業ヴェラ・トランスポート社と事業提携し,同社の帆船により欧州~米国間で自社医薬品を輸送すると発表した。このトリマランは全長65.5メートル,幅24.4メートルのリサイクル可能なアルミ製で,医薬品基準に準拠した温度管理船倉を備え,積載量は600ユーロパレット(515米国パレット)。高さ54.9メートルのマスト2本を持ち,帆走のみで平均速力14ノットを発揮し,100パーセント風力により12 ~15日で大西洋を横断(港湾で最小限エンジンを使用),所要電力は太陽光パネルと水力発電装置2基で賄う。このためGHG排出を航空輸送比最大99パーセント,コンテナ船比で最大90パーセント削減可能とされ,設計上バラスト水は不要,有害燃料はなく海中騒音もないため生物多様性保護にも貢献できる。初航海は2026年後半を目指し,28年までに5隻に拡充,週1便で年間4万8,000トンの輸送を計画している。武田薬品は初の帆船による医薬品のサステナブル輸送へ新時代を開く。

                        (VELA TRANSPORT)