●有人潜水船の日本人最深潜航記録を更新

 日本周辺の超深海・海溝域の調査を実施している名古屋大や東京海洋大などの共同研究チームは8月29日,小笠原海溝の最深部9,801メートルに8月13日に潜航し,日本人の最深潜航記録を60年振りに更新したと発表した。今回の潜水は,民間調査会社カラダン・オセアニックの2人乗り有人潜水船リミッティング・ファクターLimiting Factorによる海溝最深部調査の一環で,名古屋大学の道林克禎教授が同日午前8時,母船のプレッシャー・ドロップPressure Dropから乗船,午前11時51分に水深9,801メートルの海底に到達し,海溝最深部と西側の陸側斜面の地形・地質や生物を観察したのち,午後5時20分に海面に浮上した。これにより,東京水産大学の佐々木忠義教授が,1962年に仏アルシメードArchimèdeで千島・カムチャツカ海溝の水深9,545メートルに潜った記録を,250メートル以上塗り替えた。

                   (CALADAN OCEANIC)