●旅客定員のある船舶へ無線電信装備を義務付けへ

 政府は4月25日,船舶安全法の一部を改正する政令を閣議決定し,旅客定員のある船舶に衛星電話などの無線電信設備の設置を義務付けた。来たる6月1日に施行される。2022年4月に知床で発生した遊覧船沈没事故を受けて設置された事故対策検討委が,小型旅客船に対し無線設備を義務化する安全対策を提示していた。義務付けをめぐっては,海難予防や救命の観点から無線通信が極めて重要なことから,2021年に原則すべての船舶に無線電信等の設置が義務付けられたが,全長12メートル未満の旅客船以外の船舶などは猶予されてきた。最近の衛星電話等の通信システムの普及具合から環境が整ったとして,海上タクシーなどの旅客定員を有する船舶に対しても設備設置を義務付けた。