●建造進む次世代MSC客船3隻

 MSCクルーズの次世代船の建造が進んでいる。11月18日にMSCシースケープMSC Seascapeの進水式が伊フィンカンティエーリ造船所モンファルコーネ工場で,12月2日にMSCワールド・エウローパMSC World Europaの進水式とMSCエウリビアMSC Euribiaの起工式とコインセレモニーが仏アトランティーク造船所で行なわれた。

 ワールド・エウローパは新型20万トン級ワールド・クラスの1番船で,MSCで初めてLNG燃料を採用,バッテリー・システムや高度な排水処理システムなどで環境負荷を大幅に低減するほか,SOFC(Solid Oxide Fuel Cell:固体酸化物形燃料電池)も導入する。旅客設備には新しいコンセプトを取り入れる。2022年12月にペルシャ湾でデビューする予定。205,000総トン,船客定員5,000人。

 一方のエウリビアは,同じくLNG燃料や低硫黄のマリンガスオイル(MGO),水中放射騒音管理システムなどを導入し,2023年6月の就航を予定。メラビリアプラス・クラスの3番船で,181,000総トン,船客定員4,828名。特徴的なのは同社で初めてのデザインコンテストとして,同船の船体を巨大なキャンバスに見立て,海とその重要な海洋生態系に関するユニークなアートワークを世界中のアーティストやデザイナーから募集している点。2隻とも2050年までのゼロ・エミッション達成を目指す同社にとって重要な役割を果たす。

 またシースケープは,シーサイド・クラスとしての4隻目であり,若干拡大されたシーサイドEVOクラスの2番船。170,412総トン,船客定員5,877人で,就航は2022年11月の予定。当日は去る7月に引き渡された姉妹船MSCシーショアMSC Seashoreの命名式が,バハマの同社プライベートアイランド,オーシャン・ケイで行なわれている。

                         (MSC CRUISES)