●商船三井,川崎汽船など液化CO2輸送船を開発へ

 NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization:新エネルギー・産業技術総合開発機構)は6月22日,液化CO2輸送技術に関する研究開発と実証事業を日本CCS調査(JCCS),エンジニアリング協会(ENAA),伊藤忠商事,日本製鉄に委託すると発表した。工場や発電所などからの排出CO2を大幅に削減する技術として,CO2の回収・有効利用・貯留(CCUS)やカーボンリサイクルが注目される中,課題であったCO2の安全かつ低コスト輸送技術を確立する。事業期間は2021~26年度の6年間で,160億円の予算を投じる予定。この中で商船三井はJCCSの委託を受け,大型液化CO2船の基本的な設計を完了させる予定。川崎汽船はENAAの委託を受け,LPG輸送の日本ガスラインなどとともに,液化CO2輸送の研究開発,実証船の運航・荷役管理,安全性・環境評価などを行なう。2023年度末頃までに液化CO2を1,000トン搭載可能な実証船を新造し,年間1万トン規模(年10航海程度)の輸送を実施,一貫輸送システムの運用と操業に必要な技術を検証する。CCUSを目的とした液化CO2船舶輸送の実証試験は世界初となる見込み。

                               (NEDO)