●出光のメタノールVLCCは「日章丸」を襲名

 出光タンカーは9月8日,去る4月に建造決定した環境対応VLCC2隻のうち1隻を「日章丸(Nissho Maru)」と命名すると発表した。同社は1938年の初代以来5代にわたり大型原油タンカー日章丸を建造・運航してきた。1953年にイランから石油積取りを実行した(日章丸事件)2世と新造時世界最大だった3世は特に有名。2028年竣工予定の6代目の本船は,初代竣工から90年となり,100年に向けた歴史と伝統を継承し,次世代環境性能を備えたフラッグシップとして就航する。309,400重量トン,全長339.5メートル,幅60.0メートル,深さ28.6メートル,満載吃水21.0メートルで,メタノールと重油の二元燃料主機,大型軸発電機,風力推進補助装置ローターセイル2基を搭載し,メタノール使用時は最大でNOx約80パーセント,SOx約99パーセント,CO₂約15パーセントの排出削減が可能。加えてローターセイルによる燃料消費量削減,エンジン負荷軽減とエネルギー効率向上を図る。同社によれば新造VLCCのローターセイル搭載は世界初となる。

                          (出光タンカー)