●中国の江南造船が補助風力推進装置を開発

 中国船舶工業行業協会(CANSI:China Association of the National Shipbuilding Industry)の8月15日の発表によれば,中国船舶集団(CSSC)傘下の江南造船は,独自に補助風力推進装置「江南スマートセイル」を開発し,これを従来から建造しているパンダ・シリーズのVLGC(大型LPG船)に装備したデザイン「ウインド・ブーステッド・パンダ」(Wind Boosted Panda)を公表した。この補助帆は,上海の崇明地区で使われていた沙船(ジャンクの類)と称する平底木造船の帆の原理を応用したもので,コンピューター制御により最適な風速・風向に応じて角度を変えることができ,乗員は簡単な操作で高さ調節や格納も可能。帆の素材は高分子複合材で,風圧に対する構造強度を保持しつつ軽量化され,設置が容易で入渠作業なしでどこでも取付けできるメリットもある。航路データベースと組み合わせた経済効果分析と環境保護効果分析によれば,エネルギー削減効果は約4パーセントという。将来的にはモジュール化して,さまざまな船型に適合させることを目指している。

                         (CANSI)