●ヤンマーの水素燃料電池試験艇 テスト成功

 大阪のヤンマーパワーテクノロジー(YPT)は10月13日,燃料電池システムを搭載した実証試験艇に70メガパスカル(MPa)の高圧水素を充填し,関西万博会場予定地と市内沿岸部を結ぶ航路で航行試験を実施したと発表した。ヤンマーのプレジャーフィッシング・ボートEX38A型を改造した試験艇(7.9総トン,全長12.4メートル,幅3.4メートル)に,トヨタ自動車のMIRAI用の燃料電池モジュール2基,70MPaの高圧水素タンクを8本装備し,最高出力184kW。国交省の「水素燃料電池船の安全ガイドライン」に初めて正式に準拠し,2021年3月に完成,15MPaの水素でテストを進めてきた。今回,豊田通商と共同で70Mpa水素を充填,1回充填で従来の3倍の約3時間航行し(速力約10ノット),実運用の可能性を確認した。70MPa水素の船舶への充填は世界で初めて。YPTでは300kW級の同システムの2023年の市場投入を目指している。

                            (ヤンマー)