●ボルチモアでコンテナ船の衝突により港湾横断橋が崩落

 3月26日午前1時過ぎ(米東部夏時間),ボルチモア港口にかかるフランシス・スコット・キー橋の橋脚に,マースクが運航するコンテナ船ダリDali(95,128総トン,9,971TEU積載,2015年現代重工建造,シンガポール籍)が衝突し橋の大部分が崩落した。同船はコロンボに向け出航直後に電源を喪失,制御不能となり橋に向かって漂流し,予備発電機により若干の電力回復はあったものの推進装置は復旧せず,乗員は左への転舵を試み左舷錨も投下して衝撃緩和を図ったが,奏功しなかった。インド人船員22人と港湾パイロット2名は全員無事。橋上から転落した補修作業員8人のうち2人は救助され,6人が死亡した。トラブル発生の通報を受けた当局が急遽橋を通行止めにし,被害が局限された。4月8日現在,事故原因は調査中。事故により米東岸有数の貨物港であるボルチモアは入出港できなくなり,物流への影響が出ている。なお4月1日と2日,橋の北側と南側にそれぞれ仮水路が開通し,小型船が出入りできるようになった。

                         (U.S. COAST GUARD)