●シップ・オブ・ザ・イヤー2021 液体水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が受賞!

 1990年から毎年,日本船舶海洋工学会が選定・授賞している「シップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」は,今年で32回目。今回は11隻の応募のうち10隻が本選考に進み,5月10日にウェブ会議併用で選考委員会を開催,大賞のほか部門賞(小型客船,大型貨物線,小型貨物船,漁船・調査船)各1隻を選定した。授賞式は7月22日に行なわれる。

  • シップ・オブ・ザ・イヤー2021:液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」Suiso Frontier 燃焼時にCO2を排出しない次世代エネルギーとして注目される水素を,大量に海上輸送可能な世界初の液化水素運搬船で,川崎重工神戸工場で12月3日に竣工(船級取得)した。HySTRA(技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構)が所有運航する。陸上用液化水素設備の技術をベースに,海上輸送用タンクや配管システムなどを開発,長距離外洋航行できる電気推進システムを採用した。安価な水素を海外から安全・安定的に調達し,発電など利用の普及促進と価格低減が期待される。7,849総トン,垂線間長109.0メートル,幅19.0メートル,深さ10.6メートル,吃水4.5メートル,主機主推進電動機1,360kW2基,速力約13.0ノット,液化水素1,253立方メートル積載。

各部門賞は以下の通り

  • 小型客船部門賞:世界初の水素混焼型双胴旅客船「ハイドロびんご」Hydro Bingo ツネイシクラフト&ファシリティーズ(TFC)建造。
  • 大型貨物船部門賞:川崎汽船運航のLNG燃料自動車運搬船「センチュリー・ハイウェイ・グリーン」Century Highway Green 今治造船グループの多度津造船建造。
  • 小型貨物船部門賞:冨士汽船の苛性ソーダ専用船「りゅうと」Ryuto 福山市鞆の本瓦造船建造。
  • 漁船・調査船部門賞:東京海洋大学の練習船「汐路丸」Shioji Maru ジャパン マリンユナイテッド横浜事業所建造。

                                                                                                              (日本船舶海洋工学会)