●サノヤス造船は新来島どっく傘下へ

 サノヤス・ホールディングス(HD)は11月9日,100パーセント子会社サノヤス造船の全株式を新来島どっくに譲渡すると発表した。同日新来島どっくと譲渡契約を締結しており,2021年1月15日開催予定の臨時株主総会による承認と,公正取引委員会による独禁法関連の承認が得られれば,来たる3月1日からサノヤス造船は「新来島サノヤス造船」として再出発し,水島製造所と大阪製造所の従業員と,新造船や舶用LPGタンク製造,修繕船を含む全事業を「新来島サノヤス造船」が引き継ぐ。サノヤスHDは造船事業から撤退し,第2の柱である産業用/建設用機械,遊園地施設などの製造・販売を営むM&T(Machinery & Technology)事業を継続する。サノヤス造船主力の撒積船需要は,近年の厳しい造船事業環境下で長期低迷し,サノヤスHDでは一般商船以外や舶用ガスタンク製造,船舶修繕などに注力しつつ,加えてM&T事業を拡充強化してきた。しかし2020年度は新型コロナの影響からM&T事業の環境も不安定となり,将来的に新造船市場が回復したとしても技術開発競争が熾烈化する中では単独の生き残りは難しいと判断,事業を新来島どっくに譲渡することとなった。

                               (サノヤス造船)