■スタンド・オフ・ミサイル事業を三菱重工と契約

 4月11日,防衛省はスタンド・オフ防衛能力に関する事業について,三菱重工との契約成立を公表した。

 ▷12式地対艦誘導弾能力向上型(地発型)の量産。4月3日契約,事業費1,734億円,2025年度までに開発完了,令和8および9年度に納入。主たる用途は対艦で,対地攻撃も可能。

 ▷12式地対艦誘導弾能力向上型(地発型・艦発型・空発型)の開発。4月7日契約,事業費269億円,令和9年度に開発完了。艦発型は防衛力整備計画に記載のとおり,DDGのみならず,ほかの水上艦にも搭載見込みで,既存艦艇へのバックフィットも可能となるが,対象については今後検討を行なう。FFMも搭載検討対象である。主たる用途は対艦で,対地攻撃も可能。

 ▷島嶼防衛用高速滑空弾の開発。4月6日契約,事業費1,194億円,令和7年度に開発完了,早期装備型の量産品納入は令和8および9年度。弾頭は面的制圧を意図した榴弾で,地対地用途。これのみ超音速である。

 ▷潜水艦発射型誘導弾の開発。4月7日契約,事業費584億円,令和9年度に開発完了。技術的なベースは12式で,主として対艦用途で,対地用途にも使用可能。魚雷発射管から発射できる長射程対艦巡航ミサイルという位置付けで,早期に潜水艦発射式スタンド・オフ・ミサイルを整備する。なお,トマホークは潜水艦からの発射は計画していない。