■イージス・システム搭載艦小型化へ

 各種報道によると,防衛省で検討中のイージス・システム搭載艦について,当初計画の基準排水量約20,000トンから“まや”型イージス護衛艦(基準排水量8,200トン)と同程度へと艦の規模を縮小する方向で検討が進められているという。

 これは日本海における弾道ミサイル対処だけでなく,多用途性を付与し,沖縄近海などで他の護衛艦部隊との協同運用も考慮したものとされる。このため,全長約210メートル,幅約40メートルの高速発揮に不利な船型から,より機動性を重視した“まや”型と同規模の船型への変更を考えているという。

 なお,この船型縮小案でも防衛上必要な能力を確保できるとされ,さらにトマホークSLCMの搭載も検討中とされる。

 本型が搭載する多機能レーダーはSPY-7(V)1であるが,アンテナ直径は当初計画のまま(SPY-1Dの約1.5倍)でいくのか,SPY-1Dと同程度に縮小するのかは明らかではない。

 イージス・システム搭載艦は「“まや”型DDGのSPY-7搭載版」という印象であるが,本型の自衛隊における運用構想はいまひとつ明確ではなく,今後の動向に注目したい。