●海上保安庁が海上自衛隊との共同訓練を実施

 10月16日,防衛省本省において,武力攻撃事態で海上保安庁が防衛大臣の統制下に入った場合を想定した共同訓練を実施した。

 これは,令和5年4月策定の統制要領で確立した手続の実効性を高めるために行なわれた机上訓練で,巡視船による住民の避難や危険な海域付近を航行する船舶への情報提供について検討した。参加機関は海上保安庁本庁と防衛省内部部局,統合幕僚監部,海上幕僚監部。

 また,10月17日には,第9管区海上保安本部と舞鶴地方総監部による不審船対処訓練が佐渡島東方海域で実施された。

 同訓練には巡視船“はくさん”(PL-43)と巡視艇“こしかぜ”(CL-149),固定翼機はビーチ345型(みほたか2号),海自護衛艦“ふゆづき”(DD-118)が参加した。訓練では,「情報共有訓練」「共同追跡・監視訓練」「停船措置訓練」が行なわれた。また同日には,九州南方海域で第10管区海上保安本部と佐世保地方総監部との共同訓練も実施され,巡視船“あかいし”(PL-52)“とから”(PM-21)“きりしま”(PS-22),海自ミサイル艇“おおたか”(PG-826)が参加している。

 海上保安庁と海上自衛隊との共同不審船対処訓練は,能登半島沖不審船事案を契機として平成11年(1999年)に策定した「不審船に係る共同対処マニュアル」に基づき,同年から行なわれている共同訓練であり,今回で27,28回目となった。