●旭タンカーのピュアバッテリー電気推進タンカー「あさひ」竣工

 大容量リチウム・イオン電池によるバッテリー電気推進(EV)タンカーの1番船で,油タンカーとしては世界初のEV船である。丸亀市の興亜産業で3月30日に竣工した。492総トン,1,097重量トン,全長62.0メートル,幅10.3メートル,深さ4.7メートル,タンク容量1,277立方メートル。川崎重工製バッテリー・システム(容量3,480kWh)を備え,主電動機(300kW)2基でアジマス・スラスター2基を駆動し,約10ノットで航行する。操船性向上のためサイド・スラスター(68kW)も2基備える。川崎の水江運河に面した夜光繋船場の陸上給電設備により受電し,4月から舶用燃料供給船(バンカー船)として東京湾内で就航する。CO2やNOxなどを排出せず環境負荷を低減し,騒音・振動を抑制して労働環境を改善した。なお続く2番船は小松島市の井村造船で建造されており,2023年3月竣工の予定。

                           (旭タンカー)