●世界初の水素燃料双胴旅客船「ハイドロびんご」
水素を燃料とした世界初の双胴旅客船“ハイドロびんご”Hydro BINGOが,ツネイシクラフト&ファシリティーズ(TFC)で7月12日に竣工した。ベルギー海運大手CMB(Compagnie Maritime Belge)と共同開発したもので,水素と軽油の混焼型ディーゼル主機を搭載し,従来ディーゼルに比べ航行時のCO2排出を最大50パーセント削減できる。水素は後部の可搬式トレーラーから軽油と別ラインでエンジンに供給する。水素の補給はトレーラーごと移送するので,岸壁の水素充填設備は不要となる。19総トン,全長19.4メートル,幅5.4メートル,深さ1.75メートル,主機HyPenta D13-1000型ディーゼル2基,2軸,連続最大出力1,200馬力(441キロワット×2),航海速力23ノット,最大搭載人員82名(旅客80名,乗員2名),船質はアルミ合金。ジャパンハイドロ(CMBとTFC,神原汽船の3社共同出資会社)が所有し,総合化学メーカーのトクヤマ(周南市)が,国の委託事業として徳山下松港内で実証試験運航を行なう。燃料用水素にはトクヤマでカセイソーダ製造時の副生水素を有効活用する。
(ツネイシクラフト&ファシリティーズ)